2009年 12月 10日
以前にもブログでご紹介させていただきました金接ぎ。 今年1年でたくさんの器たちが、命を全うしました。 そんな器たちに新しい命を吹き込み、新しく生まれ変わる作業を行いました。 直して使うという心。 いらなくなったら捨てる。壊れたら捨てる。 そんな時代にいつからなったのでしょうか?食べ物もそうです。賞味期限が切れたら捨てる。 生の魚も賞味期限が切れても焼いたり煮たりあげたりすれば食べる事が出来る。 白御飯も硬くなればおかゆにして食べれる。 壊れた電化製品、修理代金を考えれば買い換えるほうが安い。 そんな時代。 昔、むかし、日本大和の国【奈良】には八百万(やおよろず)の神が住むといわれ、自然や自然現象、身近なものまで、すべてのものに神が宿ると考えられてきました。 些細なものにでさえ、大事にしよう大切にしようという気持ち、全てのものに敬意を払う気持ちがあり、その精神の発露として、得た物への感謝と無駄にすまいとする行動に現れた。 お米の神様、川の神様、山の神様。 昔はあたり前だったリサイクル。リサイクル自体あたらしい事ではなく、あたり前のことであり 日本人が古代から続けてきた自然へのそして物への感謝と敬意だと思います。 直して使うという心。 物を大切にする心。 金継ぎ。 自分にとって、大切にしていたお道具、使い勝手のいい器など、お気に入りの器が、思わぬ拍子に欠けたりひびが入ったりして、ガッカリしたことはありませんか。 そういう器たちが、再び息を吹きかえすことの出来る修理法です。 金継ぎは、茶道から発展した器の修理法で、漆を使い欠けやひびを繕い、最後に金をまいて仕上げます。 ホツの入った器でお客様をもてなす事は出来ませんが、きちんと繕った器は、器とみなされるルールがあり、見た目も美しく、見て楽しい器に蘇ります。 杉ヶ瀬では、こんな修理した金継ぎ器も大切に使わせて頂いております。
by sugigase
| 2009-12-10 19:03
| 旅館 杉ヶ瀬
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