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奈良 東吉野村 自然てんねんうまいもん。 杉ヶ瀬

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2007年 12月 04日

もったいないおばけ

もったいない。もったいないおばけがでる。。。

そんなCMを見たことはないでしょうか?
時代の流れは古くから日本人が大切にしていたものを簡単に奪い去る。
生産、販売コストを抑える為に企業は使い捨て商品を販売する。そしてそんな商品を消費者は楽さや使い勝手、低価格に引かれて購入する。

使い捨ておしぼり、コンビニの袋や弁当の容器。100円ショップで使い捨て。
そんな時代、物を大切にしなければいけないという日本人が大切にしてきた心はいとも簡単に失われてしまった。

昔、むかし、その季節、その時期にしか食べれなかった食品が1年を通して家庭で食べる事が出来る。
畑で種をまき、太陽の日差しと肥料により日時をかけて育てて作られていた食物はハウス栽培、水耕栽培などにより電球の灯り、化学肥料で短期間で育つ。生産コストもさがり低価格で販売される。そんな安い野菜を求めなければいけない消費者。

海産物の養殖物もしかりです。


昔、むかしあたり前だった天然野菜。
天然の魚達。

今は高級食品という名前に変えて一般諸費者の口にめったに入らなくなった。
そんなあたり前の天然の食材を探すのも一苦労します。

鮎は高見川で釣り上げられた天然鮎を仕入れる。
山菜は野山に毎日足を運び収穫する。
松茸も山奥に入り何時間も歩き収穫する。

地元の客さんの為に船にゆらゆら揺られながら加太の荒瀬で鯛を釣る。太刀魚、メバル。

食材を買うのは簡単だが自分で探し仕入れる。そんな食材でおもてなしさせて頂き、器にもった料理が跡形もなく消えて帰ってきた時、凄く嬉しいと心から思う。

料理人という立場、そして経営という立場の狭間で迷う事も多々あるが、利益だけを追求するもではなく、お客様が納得してくれるものを提供する。そんなあたり前な事が本当に難しく思う。

商品となる料理とは味はもちろん、見た目、香り、形。すべてにおいて妥協せず、『こんなんでええかな~?』なんて気持ちで出す料理は論外である。

日本で一番腕のいい料理人になれなくてもいい。
有名な料理人になんてなれなくてもいい。
ミシュランの★もいらない。

ただ、どんなお客様に対してお客様が求めるものを提供でき、そしてお客様が笑顔で来店され
笑顔で店を出る。
そんなお客様に喜んでもらえる料理が作れる料理人であればそれだけでいいと思う。

もったいないおばけ_b0110629_1635820.jpg


by sugigase | 2007-12-04 16:35 | プライベート


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